苦悩の有情を捨てずして

1月1日の夕方に能登半島地震が発生しました。
そして大変なことが次々と起こったことは皆さんご存知のとおりです。
北陸地方では一瞬にして日常が奪われました。
心よりお見舞い申し上げます。
私はある専門学校で講師をしています。
その講義で若者たちに「大切にしているものは何ですか?」
というテーマで話し合いをします。
いくつかの選択肢から大切さの順番を決めるのですが、
健康が一番、そして愛情、お金となることが多く、
人間の望みは大きく変わりません。
しかしこの地震は、
突如として大切な財産や愛する家族を奪い、
生命の危機も引き起こし、現実の厳しさを思い知らされたことでした。
被災された皆さんは
「何気ない日常がかけがえのない毎日だった」と言われます。
家族に支えられ、
たくさんの人やものに支えられていた日常のありがたさ、
無数のご縁に自身が生かされていたことを、
震災が教えてくれたとも言えます。
いまもし時を戻せたら、
こぼれでる言葉は心からの「ありがとう」ではないでしょうか。
仏教ではすべては移り変わると説きますが、
苦しみ悲しみを伴う変化に耐えられないのが私たちです。
ご本尊、阿弥陀如来様は、
人生の苦しみから逃れることのできない私を
「必ず救う」とはたらいてくださっています。
人生に苦悩する私をお捨てにならず、
私を救うことができなければ、
決して仏にはならないと誓われ、
いまここにはたらいてくださっています。
私の苦悩を阿弥陀さまはご自分の苦悩とされ、
私の称えるナモアミダブツとなって、
声の仏となっていつもご一緒くださるのです。
私を支える多くのものはすべて移りゆきますが、
決して変わることなく、
私の命そのものを支え抜いてくださるのが阿弥陀さまです。
何よりも大切なものは
「感謝する心」なのだと思います。
私を支えるすべてに感謝しつつ、
私を命の根底からお支えくださる阿弥陀さまに
ナモアミダブツと感謝申し上げましょう。
称名
