2023年12月6日
弥陀弘誓の船のみぞ、のせて必ず渡しける

「私のお父さんはどこに行ったんですか!」
以前、ある初七日のお勤めで、このように問われた方がおられました。
この方はお父様の葬儀を終えられたばかりの娘さんでした。
今までそこにおられた方の姿形がなくなれば
誰しもそう思うでしょう。
常日頃はこのようなことを考えることもないのが私たちではありますが、
いざと言う時になれば、どこに行くのかわからないのではないですか?
世間一般には、
天国に行ったりお星さまになったり、
はたまたお墓の草葉の陰だったりいろんな言われ方をします。
でも実感をもってそう思えますか?
冒頭のお言葉は、親鸞聖人がお示しくださったお歌の一首です。
私たちの一生は、
毎日さまざまな出来事が、大海の波のように打ち寄せます。
喜怒哀楽の波に揉まれながら、
ただただ目の前のことに振り回されている日々が
ほとんどではないでしょうか。
そして、
人生がどこに向かっているのかもわからないまま、
時ばかりが過ぎていると言えるでしょう。
阿弥陀さまはそんな私を深く悲しまれ、
決してそのままにしておくことができないと、
私を包んでくださいます。
私にさまざまなご縁を与えてくださり、
人生の苦海を渡る船に乗せてくださいます。
そしてこの命終えると同時に、
さとりの彼岸、お浄土へと渡してくださるのです。
折々のお仏事は、
そんな私の生き様を今一度見つめ直し、
私が生きている意味を見いだすチャンスです。
命終える時に初めて
阿弥陀さまの船に乗せて頂くのではなく、
生まれた時からすでに乗せていただき、
安心の人生を歩ませていただいていることを
知らされる大切なご縁です。
実感をもって
「お父さんは、お浄土の仏となっていまここにご一緒ですよ」
とお伝えしたいものです。
南无阿弥陀仏
